6P。
1万字インタビューって書かれると読むのに覚悟が入りそうだが、ボリューム的には普通よりちょっと多めぐらい。
写真は3枚。紺のシャツでDCバーストと、ソファに腰掛けているのと、000-18を持っているもの。
まずはさらっと読んで。
自分の作品の中で自分自身がすごく気に入っている楽曲を集めて1枚のアルバムを創りたい、と考えたのが最初。
普通のベストではなく、再度トライして“ひとつの自分自身の新作”。
去年から少しずつ準備。
選曲は曲の良さ、ギタープレイを気に入っているか。
プレイをジャッジしてやり直したいところはやり直す。
どのアルバムから選ぼうかは決めていたわけではない。
『華』は自分のアルバムのターニングポイント。だから自然と多くなった。
今の自分の好きなスタイルなんでしょうね。
誰にも言わなかったけど“最終的にはグラミーだな”と決めていた。“50歳までには必ず獲る”という目標も立てていた。
ギリギリ49歳で獲れたんですけれど(笑)。
(後からならなんとでも言える?(笑) いやいや、オレはグラミー取る男だー!と常日頃言いふらしてるのもホラ吹きみたいじゃんね。
まぁそれで獲ったならそれはそれでカッコいいけど。
獲れるとは思ってなかった、というご謙遜モードよりも、この自信こそがTAK MATSUMOTOだ。
昔のTAKに感じたギラギラ感、やはりそれは消えていなかった!)
『華』を出した時もすごくそういうことを意識していた、実は。
獲って一瞬、燃え尽きた。
ソロワークとしての最大の目標だったので。だから立ち直るのに少し時間がかかった。
ポップ・インストゥルメンタルは110個あるうちの10番目。インストとしては、あれ以上のクラスはもうない。
次の目標は人に言わない。
僕、そういうことは家族にしか言わないんです(笑)。
B'z。もう今年は5〜6曲くらい録ってます。どういう形で公表するかはわからない。
過去のソロ作品を全部聴き返して。
気に入った楽曲、プレイをまず選び出し、その中からさらに厳選。
完全にゼロからレコーディングした新曲が2曲。
“SUKIYAKI”のカヴァーは、昔からやってみたいなと思ってた。
“Live Life”。335レコードからアメリカでリリースされることを念頭において創った。
ロバート・ウィリアムズさんから“歌ものは必ず入れたい”とアドバイスがあった。
(歌もの!!!)
僕自身もその案に賛成。
ラリーさんからポール・ブラウンさんというプロデューサーを紹介された。
“Live Life”はまず僕がアレンジメントまでフルサイズで創ったものをポールさんに送って、彼にプロデュースしてもらった。
基本的に彼の意向に従おうと思っていたので、わりとお任せしてみた。すごく良かった。
そのあとも彼には何曲かのミックスを手掛けてもらった。
ポールさんはグラミーを2回獲っている。
今後もまたポールさんとは仕事したい。
僕自身が英語の歌詞で、向こうのシンガーでやりたかった。
ロバートさんとポールさんのアドバイスを受けることにした。
最初僕自身は女の子に歌ってもらおうと思ってたが、そしうしらたらポールが「これは男だろう」と。
“えー。なんで!?”と思ったんですけれど(笑)。
でも彼のその感覚に従おうと思って。
歌詞を書いたダックスっていうシンガーにまず歌ってもらったら、すごく良かった。
でもポールさんから「実はもうひとりいいシンガーがいるんだよ」っていう話があって、そのサムというシンガーが歌ったらさらに良くて。
ラリーさんが僕も何か弾いてもいいよと言ってくれたので“SUKIYAKI”のカヴァーでプレイしてもらった。
全体的なバランスをとるためにはプロデューサーを立てたほうがいい、という話が持ち上がって、
ポールさんを紹介されてからまた制作の過程が変わっていった。
予定よりは完成が少し後ろにズレたが納得行くものが出来た。
フレキシブルに対応する。
だから“いやこれは絶対に譲れない”とかそういうのを一切なくしてできた。
当初予定していたところとは大幅に路線変更していった。いい意味で。
さすがにこれはというのもありましたよ、もちろん。
そこはもう……僕、最近アメリカ人と付き合うの馴れてきたから、“ガッツリ言わなきゃダメだな”っていうのもわかっているので。
日本人って、例えば「ここ変えてくれない?」って言うのにも、まず「ごめんなさい」っていうじゃない。
僕、メールとかでもまず最初に、“I'm sorry”って書いてからメッセージを送ってたんだけど、
ロスにいる社員の子に「日本人っぽい。いちいち“ごめんね”っていうのが先にくるのは」って言われて。確かにそうだなって。
ポールさんにも、「ここはこのままにしたい」ってことははっきりと言いました。
でも、すごくそういうことは少なかった。
いちばん戦った曲。
「THE WINGS」。
まず最初に僕が提示したものでミックスまで進んでいたんです。
そうしたら、アメリカのラジオ・ステーションでシングルにできる可能性もあるから、っていうのでいきなりサイズが短くなって(苦笑)。
それも、“あれ? ここカットしちゃったの?”みたいなところがあったり、
僕のギターソロ消して、ポールさんのギターソロが入っていたりとか(爆笑)。
“そこまでやるかー!”くらいのことがありましたよ。
(すげぇ、24年やっててそんなこと初めてじゃない!?)
でも、そこで僕、考えたんです。
別にそのバージョンが悪いわけではなかったから、「2〜3日、聴かせてほしい」と話して、その時間で考えを整理しようと。
で、聴き込んで整理した結論は、ポールさんのソロを生かそう、というところに落ち着いて。
そのうえで、そのポールさんのソロに僕のギターでハーモニーを入れたんです。
結果的に、僕自身は気に入ってますし。
でも普通はそこまでやらないですよね、日本人の感覚でいくと。
だって、僕のアルバムで僕の曲なのに、僕のソロを消しちゃってるんだよ!(爆笑)
まぁでも、それを逆手に取っていい形にできたと思いますし。
「ONE FOR THE ROAD」改め「The Moment」。
『LIVE RIPPER』のエンディングロール。僕自身、すごくこの曲が好きなんですよ。
今から思えば、深く考えずにタイトルを付けてしまっていた気がして。
僕の中でのこの曲のイメージというのは、エンディングロールでいろいろな写真が流れるんだけど、
その中で稲葉君と当時のマネージャーがふたりで並んで何かしゃべっている後ろ姿の写真……
その写真のイメージ、なんです。すごくいい写真なんだよね。
それがあって、“タイトルを改めてちゃんと付けたいな”と思って。
アルバムタイトルと楽曲「Strings of My Soul」は全然関係がない。
言葉としてとても好きで、今回のアルバムの内容にとても合っているな、と思ったので。
だいぶ前からもう、このタイトルにすることを決めていたんですよ。
DVDに収録されている「Strings of My Soul」という楽曲は、このアルバムと連動して入っているわけではないんです。
アメリカでリリースする盤も、このタイトルのままです。
ロバートさんにも相談したら、“すごくいいタイトルじゃないか!”と言ってくれたので。
よく言っていることですけれど、皆さん好きな時に好きなところで聴いていただければ。
ファンレターとかで自分達の結婚式に使いましたって書かれているのを読むと本当に嬉しいし。
僕自身も、気がついたら自分のアルバムを聞いていますからね(笑)。
インストゥルメンタルのアルバムを創る時は、自分が聴きたいものを創っている。
このアルバムも家や車の中で聴いている。
唯一、夏に聴きたくなるような自分の音楽がないので、いずれまたそういうのも創りたいですね。
(ロックインストクルー!?)
でも『TAKE YOUR PICK』は夏にもいいかな? 稲葉なんか「サーフィンに行くときによく聴いている」って言ってたし。
気軽に聴けると思うので、より多くの方に聴いていただけると嬉しいですね。
僕はギタリストだからギターがメロディを担っているけれど、べつに曲によってはギターじゃなくてもいいと思っているんです。
ひとつの音楽の形態として、インストゥルメンタルの音楽というものを捉えているので。
ギターどうこうというのは、実はあまりないんですよ。
でも、ギタリストとして言うならば、僕の特徴というのは“音色と間とニュアンス”だと思うんです。
だから、もしギターを弾いていて興味があるのであれば、そういうところを聴いてみてください。
TAKの世代は最近思い出したように楽器買ってバンドやってる。年上の友人がしょっちゅうギターの相談に来る。
かわいいんですよ……ホントに好きなのが伝わってくるから。
そういうのも、ひとつの音楽のとっても素敵な形ですよね。本当に楽しそうだな、素敵だな、って思います。
興味深い内容でした!
プロデューサーに身を委ねる、さらっとラリーさんの海外レーベルからリリースされるとありますし、
世界で本気で売ろうとしている姿がうかがえます!
グラミー賞受賞作「TAKE
YOUR PICK」で興味を持った人が次に買うべきアルバムはこれだ!
そして「ONE FOR THE ROAD」改め「The Moment」の話題に上がった『LIVE
RIPPER』の写真。
DVD再生してソッコー探しました(笑)。
これですね!
この写真が、TAKの“The Moment”....