ディスコグラフィー

1988

松本孝弘、そしてB'zデビュー年!

05月21日 THOUSAND WAVE
09月21日 だからその手を離して
09月21日 B'z


MATSUMOTO TAKAHIRO 1st Album 5/21/1988
THOUSAND WAVE 39:21
THOUSAND WAVE
今、一番キテるギタリスト松本孝弘。
sound produce, all guitars : Takahiro Matsumoto
Produced by Masao Nakajima
Engineer : Recording & Re-mixed by Masayuki Nomura(野村昌之)
発売元:株式会社メルダック
販売元:日本クラウン株式会社


既に名サポート・ギタリストで有名だった松本さんのデビューのインストアルバム。ついにソロ・アルバムを作り上げた!
小室哲哉(TM NETWORK)、西村麻聡(FENCE OF DEFENSE)ら豪華メンバー参加しています。

なんと! B'zデビュー前はバンド感炸裂のこんなハード・ロックなアルバムを作っていたのです。B'zとソロ含め全アルバム中、最も弾きまくってるかもしれません。
全体としてメタリックな印象なのはLOUDNESSの樋口宗孝のドラムが大きいと思います。私、彼の音大好きです。因みにパーカッションも樋口氏が担当。
やんちゃでやや荒々しさがあり、しかし松本さん、テクも極上の。若さにおける勢いがほとばしってます。気合十分。
またメロディアスなナンバーももちろんあります。ジャズ系を弾いたり。多彩。
これからソロ作品は味わい深いナンバー中心の方向へ向かっていきます。大人になっていくということなのでしょう。

ポスター型のブックレット。
松本さんのコメントがなんか初々しくてかわいい。ってかこの人ナニほざいてんの的な(笑)。
楽器を“TOYS”と呼んでいます。

良いヴォーカルが見つかれば歌物にもしようと考えていたそうです。(結局見つからず。)
もしこの時に稲葉さんがいたら…ジャパメタバンドB'zになってた?!なんてね。
実はこれの発売前日の5月20日にB'zは結成。その翌日からファースト・アルバムのレコーディングに入っていました。

2009年にTAKがこの頃のプレイについて語る。
昔のプレイで今出来ない?
残念ながら山ほどあります(笑)。
特にB'zを結成する前、浜田麻里さんのバックをやっていた頃とかね。
今聴くと「何に怒ってるんだろう?」ってくらい。
何かに納得してないと言うか、凶暴な感じがする(笑)。ハチャメチャですよね。
『Thousand Wave』は“怒”という字しか見えないような感じがしちゃいますよね。
とにかく負けたくないという気持ちが前面に出てる。
なにがヘヴィ・メタルやねん!みたいな(笑)。



私が持っているものは帯に松本孝弘[現B'z]と書かれているので初回盤じゃないですね。(^^;)
現在廃盤。私は中古屋で見つけました。

アナログ版も発売。
'96年にリミックス、リマスター&1st Single追加収録で再発売

最高位:58位 登場数:4週 総売上:1.2万枚
1. Thousand Wave 2:41
key board 増田隆宣


アルペジオで始まるオープニングに相応しい曲。
神秘的な大きな波がやってくる!

増田さんとはデビュー当時からのお付き合いだったのですね。
2. Touch Operation 4:19
drums 樋口宗孝
bass 西村麻聡
key board 増田隆宣


なんだか新しい世界の感覚。(?)
勢いがあってきらめく感じ。
アルバムを代表する曲と言えるでしょう。

'85年に録られたものは「EARLY TAKES」などで聴く事ができます。
3. SPAIN 2:52
by Chick Corea
drums 樋口宗孝
bass 大堀 薫


ジャズだったのが。カヴァー曲はチック・コリアもビックリ仰天のメタル・アレンジ
この疾走感!! カッケーよ!!
こいつはヤミツキになります!!
4. “99” 6:06
drums 樋口宗孝
bass 西村麻聡
key board 増田隆宣


松本さんのロマンチッカー炸裂の切ないバラード曲。
メロディが胸を打ちます。メロディアス。
でもドラムがハードだからメロディアス・ハードな印象。

「Wanna Go Home」でもリメイクされます。
5. So Long 4:12
drums 樋口宗孝
bass 西村麻聡
key board 増田隆宣


煌びやかな印象のサビのキーボード。歌声が聴こえてきそうです。
6. Vampire Hunter “D” 4:18
key board 増田隆宣


重なったギターが壮大な曲。最後に拍手喝采が巻き起こります。

カヴァーなんですけど作曲者は小室哲哉じゃなくていいのかな?
7. Play It So Loud 4:07
drums 樋口宗孝
bass 西村麻聡
key board 小室哲哉


うぉぉ! 猛スピードの激しい速弾き曲。これぞメタル。
注目は小室さんのキーボードとギターのバトル!
今のTAKはこんな弾きまくりできないと思う… ってかしないだろうな。でも聴いてみたかったりする。
8. Teaser 3:27
drums 樋口宗孝
bass 大堀 薫


ダークでヘヴィネス感。アルバムの中ではいささか地味なところですけども。
速弾きは流石。
サビ前に入るベースソロのブレイクがクール。
フェイド・アウト。
2000年、松本さんは“TEASER”をお創りになられたのでしょうか?(笑)
9. Take Five 2:54
by Paul Desmond
drums 樋口宗孝
bass 大堀 薫


誰もが知っているジャズのスタンダード、有名曲のカヴァー。ハードにアレンジ。
一番最初に録ったという曲。
5/4拍子。
ラストは壮絶! ドラムやベーよ!
10. No Way Out 4:21
drums 樋口宗孝
bass 大堀 薫


雷が鳴っています…!
緊張感が漂う。
勇ましい。
ラストを飾るにふさわしいハードな曲。
エンディングがやや唐突な気もしますけども。


1st Single 9/21/1988
だからその手を離して 8:29
だからその手を離して
デビューシングルです。あなたはこの曲ご存知?(ってこんなサイト見てるくらいだから知ってますよね)

アルバム「B'z」と同時発売で、2曲ともアルバムに収録されています。
今現在この、同時発売でシングルを出す意味がちょっと理解できませんねぇ。2曲ともアルバムに収録されているわけですし。
ジャケ写も同じで、アルバムの聴きかじり(?)試聴みたいなもの?

当時のシングルには「パッケージの組み立て方」が記されているのですが、これ組み立てちゃった人は後悔してるでしょうな(笑)。

基本的にB'zのシングルにはカラオケ曲は付きません。

チャート圏外。売上データなし。
1. だからその手を離して 3:50(3:48) ※カッコ内は記されていたもの。
世間に余り知られていないデビュー曲。デジロックなダンス・チューン。
緊張感あるスクラッチにビート。高らかに、開放的なメロディのギターのイントロ!
Aメロにはテクニカルな速弾きギターが歌の後を追っかけ。これはエレアコ?
ギターソロも2段階。
サビでは合いの手を入れたい感じですね。

コーラスは。“Why?”の後“I wonder.”
1番サビ前“I can not doubt loving you.”
2番サビ前“I don't wanna see you any more.”

歌詞は…ストーカー!?(ぉぃ

PV撮影はハードスケジュールとして今なお語られる。
深夜0時に集合し、千葉の九十九里に台風の中向かい寝ずに朝方撮影し、その後恵比寿のEBISUスタジオにて撮影。丸々24時間。
そうなってしまったのは台風きてたからやるかやらないかと待機していたため。
千葉の海岸から、テレビモニターや換気のダクトが無造作に配置された近未来のイメージのスタジオ。スポットライトの逆光がすごいです。
苦労した撮影なのに海岸のシーンは殆ど使われていません…

「B'z」1曲目。
「BAD COMMUNICATION」では「-OFF THE LOCK STYLE-」として英語詞の激しいダンス・チューンに変貌。
「B'z The “Mixture”」では超ハード・ロック曲として生まれ変わります。
「今夜月の見える丘に」2nd beatにも同じものが。

「JUST ANOTHER LIFE」収録。
「The true meaning of “Brotherhood”?」に少し収録。
「B'z LIVE-GYM Hidden Pleasure」収録。
「B'z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-」収録。

「TV Style SONGLESS VERSION1曲目。
2. ハートも濡れるナンバー 〜stay tonight〜 4:38(4:38)
スロウ・テンポのダンス・ナンバー。
ムードあるキーボードソロで始まります。
サビが実にクール。

なんだかタイトルとサブタイが逆な感じがイカしてます(笑)。

最初にレコーディング。歌入れに苦労した。
これと「君を今抱きたい」、「It's not a dream」は最初に会議にかけるため徹夜で作った三曲。
「B'z」収録曲の中で一番ライヴで演奏したいと熱望していた。

「B'z」3曲目。
「The 7th Blues」にはリメイク版の「SLAVE TO THE NIGHT」を収録。

「LIVE RIPPER」収録。「SLAVE TO THE NIGHT」のアレンジです。


1st Album 9/21/1988
B'z 39:53
B’z
最先端から加速する。(空想の未来なら、いらない。)
Sound-Producer Takahiro Matsumoto
Sound-Adviser Masao Akashi
Director Nobumitsu Asai, Ryoichi Terashima(寺島良一)
Engineer Masayuki Nomura
Producer Masao Nakajima
Executive Producer Tasuku Okamura, Daikoh Nagato
発売元:BMGビクター株式会社


B'zをある程度好きになって(ベストとか集めて)、そういえばデビューはどうだったんだろう〜?と興味を持たれた方は聴いてみましょう。
B'zに興味を持ったからと言って、1stから順に聴いていこうとしてはいけません。あまりのギャップにスッコケます(笑)。
むしろB'zは最新作から逆に辿る聴き方をしたほうがいいと思います。まぁベスト盤が最初でいいんですけどね。

プロデューサーの長戸大幸氏を介して出逢った松本さんと稲葉さんは、
六本木のスタジオ“SOUND JOKER”にてビートルズの「LET IT BE」と「OH! DARLING」をセッション。
その時稲葉さんの余りの声のでかさになぜかアンプが故障してしまい、そのまま「まいいか」という感じで組むことに。
この時、「一緒にやろうぜ!」の声がかかることはなく、なしくずし的に、気が付いたらB'zは結成されていました(笑)。

ベーシストやドラマーも一応探していて、オーディションはその前にしていましたが松本さんがしっくり来る人材はなく。
二人組になったのは稲葉さんの「2人でいいんじゃないの?」という言葉が決め手になりました。
そういうわけで、バンドブームの中で異色のユニットデビューでした。

B'zの名前の由来は…誰もが最初に疑問に思うことであり、永遠の謎でもあります(笑)。
B'z本人達もこれこれこういう経緯でとはっきり断言しないためです。
最近のテレビのインタビューなどで話す由来は、記号的な名前にしたかったというもの。
始めはAからZを網羅するということでA'zと名付けられます(当時のデモCDにA'zと書かれているものがあったりする)。
しかし発音が少々よろしくない。一文字ずらしてB'zに。一応これが公式ネ。

このアルバムジャケットには親切に発音記号が付いています。それでも当時“ビーゼット”と間違えて呼ぶ人が多かったそうです(笑)。
ちなみにアクセントは頭につけます。知らない人はまず平坦に発音するでしょ! 手芸のーズと同じでいいんです!
正しい発音する人としない人でファンか一般人かが見分けられます(笑)。

ビートルズ+ツェッペリンの略だとかはファンの憶測。
95年頃お二人にとって蜂がブームだったのでBeesと言っていたり(笑)。
“僕たち絶好調!”の略とか言い始めたり(笑)。

さて、サウンドはギターとヴォーカル以外は全て打ち込みなのですが、これは松本さん曰く「コンピュータを中心にするんじゃなくて、コンピュータを上手く使う事でヴォーカルギターという打ち込みでは再現できない部分を一層引き出したいということなんです」
…個人的には「THOUSAND WAVE」のバンド演奏で歌ありだったら良かったのでは…とか思うんですがそれだとジャパメタバンドですな。
つまりはこの音は当時の超売れ線を狙っていたという表れだったのです。とはいえそこはまだヒヨッコで売れ線ラインに届かず、売れなかったと。。
B'zは後にご存知の通り日本を代表するハード・ロックバンドになるわけですが、この頃はロック云々の前にこのやり方で売れてみせる!という意思の方が強かったのではないかと。
そして売れてからやっと好きなことがやっていけると。
遠回りして最も早くゴールにたどり着けた、ゴールというか第一の目標地点、トップアーティストの仲間入りみたいな。
って感じでいろいろ言われてますけどとにかくこの時はそんな何年先も見据えてなくて今売ることに必死!だったんじゃないですかね。
っつーか稲葉さんは付いていくのがやっと、仕事をこなすのが精一杯と余裕はナッシング。

これまで音楽活動は殆どアマチュア的なことしかしてなかった稲葉さん。
頭を悩ませながら作詞した歌詞は、やや抽象的な内容でファンから意味が分からないと言われてしまっていました…
バブリーな言葉を並べた感じ。
作詞法は、仮詞として英語で詞を考え、そこから良い所を残しつつ日本語に変えるというもの。この方法は基本は今も変わりません。
それと当時は歌詞に松本さんのチェックが入っていました。

B'zで唯一。松本さんの作曲ではない曲(「孤独にDance in vain」)、稲葉さんの作詞ではない曲(「Nothing To Change」)があることについて。
もうできないんでおねがいします、と いっぱいいっぱいだったため。B'zにもそんな時代があったんだ!
でもまぁお二人を紹介する時はたった一曲の例外なんで、「B'zの全作曲をする松本孝弘、全作詞を手がける稲葉浩志」で良いでしょう。

ミディアムのデジタル・ロックなナンバー中心。
やや硬くて そっけない印象。メロディは悪くないんですがノリがいまいち。サウンドに派手さはなく。
殆どの曲がフェイドアウトするんだな〜。
あと、稲葉さんのヴォーカルも高音がまだまだ苦しそう。
でも、これからの活躍に繋がる“なにか”が既にある気がします! 

この時松本さんが27歳、稲葉さんがデビュー2日後に24歳。若い…!

それとクレジットには無いんですが、江口信夫氏が2曲叩いています。
おそらく「ゆうべのCrying 〜This is my truth〜と「Nothing To Change」かなぁ、聴いた感じ。
生ドラムと打ち込みドラム、両方ともドラムのレベルがかなり高く、これでまたちょっと硬いイメージが。(^^;)

ヤバイ派手なファッションのジャケットのお二人。ある意味ヴィジュアル系(笑)。稲葉さん曰く、「肩パッドブラザーズ」(笑)。
よく見ると、B'zのお二人以外にも二、三人の人影がうっすらと… 最初幽霊かと思いました。(爆) 「だからその手を離して」のPVでは白いマネキンがはっきり映っています。

このアルバムだけアナログ盤も一般発売されました。

「BREAK THROUGH」までの作品は全て21日に発売されています。レコード会社の決まりだったようです。

ライヴは、松本さんがライヴをやるのに十分な量が出来てから(アルバム2枚分、オリジナル曲だけで90分のステージが出来るようになってから)という意向があったため、この時点では行われませんでした。
松本さんのプロの拘りですね。一般的には早く名を広めるためにライヴしまくるもんなんですけども。ライヴハウスも嫌だったそうです。
それよりキャンペーンに力を注いだと言います。全国を回りギターセミナーを開催、セミナーの最後に稲葉さんを呼んでギターと歌を抜いたカラオケ音源で4,5曲演奏!

因みに当時のセールスとしては「THOUSAND WAVE」よりも売れなかったそうです…(^^;) (後々抜いたということですね。)
しかし3年もの間、100位以内にチャート・インし続けました!

最高位:47位 登場数:86週 総売上:33.8万枚
1. だからその手を離して 3:49(3:49) ※カッコ内は記されていたもの。
シングル曲
アルバムの中では一番最後に作られた曲。

以降三作、シングル曲はアルバムオープニングに置かれました。(オープニング曲をシングルにしたわけじゃないですよね?)
2. Half Tone Lady 3:36(3:36)
軽快爽快なポップナンバー。明るくていいです。
Aメロにピアノ。
無作法なRock'n roll Show me now! Wo!
ギターとボーカルだけになるエンディングが気持ちいいです。

シングル最有力候補に挙がっていた曲。
3. ハートも濡れるナンバー 〜stay tonight〜 4:38(4:36)
「だからその手を離して」 2nd beat。

M-5。これが出来た頃に自分達がやりたい方向が分かったとTAK。
4. ゆうべのCrying 〜This is my truth〜 5:30(5:27)
スロウ・テンポのポップナンバー。
バラード、、とはちょと違うかな。まったり。

Aメロのぽわぁぁんとした歌声(?)が幻想的です。

これもタイトルとサブタイが逆な感じ。
5. Nothing To Change 4:36(4:35)
Lyrics by TOMOKO ARAN(亜蘭知子)


なんと! B'zで唯一の例外、稲葉さんの作詞ではない曲
A、Bメロは穏やかで、サビで激しくなるタイプのマイナー・キーのバラード。シリアス。

個人的には結構好き。
6. 孤独にDance in vain 4:54(4:53)
Music by HIROYUKI OHTSUKI(大槻啓之)


松本さん作曲ではないのはこの曲だけ! ワイルドな曲。

でも、やっぱり自分作曲じゃないからか、ライヴで披露されたことはありません。
7. It's not a dream 3:55(3:55)
デッデッデデデ フォーッ!!
イントロのドラムが軽快な気分高揚ナンバー。ノリノリじゃないですか稲葉さん。稲葉さんもテンション高く叫んでいます。
ラストは転調して。
サビの繰り返し順番に注目。

Fo!!
Hey, everybody shout it out, alright.
Yeah, so foot it. Who is this song for? Yeah.
Hey, girl! Um, now here we go! Ah!

ちょっと怪しいですけどね。

これライヴ定番になってもいい気がするんですけどねぇ(笑)。
8. 君を今抱きたい 4:13(4:12)
稲葉さんが初めて作詞した曲。その時の仮タイトルは「OUT OF RAIN」。
クールでメロディアスで、特に“Oh...”がカッコイイ!!
このアルバムでは一番のお勧めですね。

「BAD COMMUNICATION」では英詩でリメイクされて収録。
9. Fake Lips 4:38(4:39)
お二人がお気に入りの曲。モダンな雰囲気。今で言うとインダストリアルな感じ?
ややダークなAメロ。
ラスト合唱。デビュー当時から“NANANANA〜♪”と歌っていたんですね。



ディスコグラフィートップへ 1989へ→